カルニチンは、脂肪の燃焼に欠かせない物質です。20世紀初頭に発見されました。ダイエットに役立つ物質として注目されています。
ちなみに「カルニチン」というのは通称で、正しくは「L-カルニチン」という名前の、生理活性物質です。
カルニチンをたくさんとれば、それだけ体内の脂肪をエネルギーとして効率よく燃やすことができるからです。
通常、脂肪はまず体内で脂肪酸に分解され、細胞内の「ミトコンドリア」という器官で燃やされて、体を動かすエネルギーとなります。が、脂肪酸単独ではミトコンドリアに入ることができません。
ここで、カルニチンが必要となります。
脂肪酸はカルニチンと結びつくことで、ミトコンドリアに入ることができるのです。
カルニチンがやってこないと、脂肪酸はエネルギーになれずに逆戻りして、体脂肪となってしまいます。体脂肪の蓄積が、肥満や生活習慣病の原因となることは、皆さんよくご存じでしょう。
人間は体内でリジンやメチオニンというアミノ酸物質からカルニチンをつくり出していますが、その量は加齢とともに減ってゆきます。
カルニチンは羊や牛の肉などにも含まれているため、これらの食べ物から補うこともできます。
けれども、肉を食べると脂肪などもあわせてとることになってしまいます。
サプリメントなどを利用して、カルニチンを上手に補えれば、脂肪をコンスタントに燃やして、体脂肪も減らすことができるのです。
カルニチンには中性脂肪や悪玉コレステロールを低下させる作用があり、肝臓や心筋への脂肪の蓄積も抑えます。
さらに、カルニチンは運動能力を高めたり、疲れにくい体をつくることにも役立ちます。
これは、カルニチンに酸素の摂取量を増加させて、持久力や瞬発力を高め、疲労のもととなる乳酸を減少させる作用があるからです。スポーツ選手のなかにカルニチンを愛飲している人も多いようです。
人間の体の中では、カルニチンの97%以上が、骨格筋と心筋(心臓の筋肉)の血清(血液中の成分)中に存在しています。
万が一、カルニチンが極端に不足した場合、一体どうなるかといいますと、脂肪酸が心臓のエネルギーとしてうまく利用されなくなり、心筋組織の間に蓄積されてしまいます。
すると、やがては組織の崩壊が起こり、心臓の働きに悪影響を及ぼします。
乳幼児の突然死の原因についても、その何割かが、カルニチンの不足による心筋停止に関係しているということが、研究によって突き止められました。
人工透析を行っているかたにも、カルニチンの摂取をおすすめします。
1回の人工透析で、心筋の血清に存在するカルニチンの70~80%が失われてしまうためです。
人工透析を行うと不整脈や疲労感が起こりやすいというのは、カルニチンの減少に関係しているのです。
カルニチンの望ましい摂取量としては、1日に100~300mgが適当でしょう。ダイエットが目的の場合も、健康の増進が目的の場合も、同じです。
摂取するタイミングとしては、「これからエネルギーを使うぞ」というとき、すなわち、運動やウォーキングの前、日常の軽作業を行う少し前にとれば、カルニチンの利用効率が高まります。
脂肪酸がミトコンドリアに入ろうとするタイミングをねらってカルニチンを送り込めば、それだけ体脂肪がどんどん使われるわけです。
運動嫌いな人は、通勤やお掃除の前などに、カルニチンをとるようにしてはいかがでしょうか。
カルニチンはもともと体内に存在する物質ですから、副作用などはありません。
また、通常より多めにとったり、別のビタミンや食品といっしょにとっても問題はありません。
カルニチンダイエットとは
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tosiyaitou