ドイツパンダイエットとは

　　　　　　　　　　　　ドイツパンとは

　ヨーロッパでは、長い歴史の中で、穀物をひく技術、パン焼き器、オーブンはもとより、焼いたパンを販売する方法も進化しています。パン焼きの過程は今、すべてコンピューターによりオートメーション化しています。

　ドイツといえば、高い技術力でも知られていますが、その技術の高さを保っているのがドイツ特有の「マイスター制度」と呼ばれるものです。そこでは、厳しいコントロールの元で、パンの高い品質と純度が保たれているのです。

　一方、度重なる大災害とそれにともなう飢饉、不作、害虫と壊滅的な戦争戦争を体験した人々は、パンと穀物を健康のシンボルとして考えるようになりました。多くの文化サークルでは、パンや穀物を、シンボル的、祭式の意味として位置付けています。

ドイツのパンは使用する粉の種類も豊富で、焼きあがるパンも形から味までさまざまです。ライ麦のみを使ったパンと、ライ麦と小麦の混合パンはどちらかというと固めでアロマのある種類です。

　ビタミンが豊富でライ麦の含有量が多いほどその風味も増します。「黒パン」と呼ばれるパンは荒挽きのライ麦を使用したパンです。パンの色が濃ければ濃いほど、ライ麦殻の含有量が高くなり、栄養価も高くなります。

伝統的なドイツパンの食べ方というと、薄切りにしたパンにバターもしくはマーガリンを塗り、その上にチーズやソーセージをのせて頂きます。もちろん、ジャムをつけて食べたりもします。

　1950～60年代の人々はソーセージやチーズをパンに並べたものを好んで食べます。これは、テレビを見ながら食べたり、突然の来客時などにとても便利です。それに、きゅうりのピクルスや酢漬けのたまねぎ、塩味のプリッツ、肉団子、じゃがいも、ニシンのサラダを加えればちょっとした“おもてなし”にもなります。

　ドイツのパン屋では、焼きたてのパンの横に手作りジャムやチョコレートボンボン、さらには磁器まで置いてあり、まるでブティックのよう。コーヒーやパン、スープなどを気軽に食べることもできます。

　昔のドイツでは、パンを毎昼、毎晩食べたものです。最近では、パンは主に朝食として食べられています。しかしながらまた、イギリスのトーストパンや、ランチやディナーにフランスの「バゲット」、イタリアの白パンをオリーブオイルにつけて食べることも多くなっています。

　ファーストフードが流入したとはいえ、ドイツでは自宅で朝食をとるのが普通です。昼食も家で食べたり、社員食堂や学生食堂で食べます。もちろん、各国料理をレストランで夜食べるようにもなってきていますが、まだ、根強く伝統的に夜も家でパンをスライスした上に、チーズ、ハム、ソーセージを載せて食べる家族もいます。